12月のひとこと
今日は、女性が陥りやすい恋愛依存症についてお話したいと思います。
●恋愛依存症とは、
恋愛の対象者及び対象者に対する行為への依存、例えば、相手とのデートや会話、電話やメールに執着し、ひとりでいる時間に何をしていいか分からなくなるほど、頭の中を彼に占領されてしまっている状態を言います。この依存症は共依存と同じ「人間関係嗜癖(特定の人間関係に執着する嗜癖)」に分類されています。
仕事以外、或いは仕事にも支障が出てしまうくらい好きな人のことにこだわってしまう。他のことが手につかなくなるほど好きな人のことばかり考える。不安や苦しい思いをするのに次から次に恋愛をしてしまうという方は、恋愛依存症の可能性が高いです。
恋愛依存のポイントは「生活に支障が出ている」ということです。彼のことで苦しんでいるのに、彼への執着を止めることができず、むしろエスカレートしていく。つまり自分をコントロールできなくなっていること。ここが、恋愛と恋愛依存の大きな違いです。
●恋愛依存になりやすい人は、
人との付き合い方が下手か苦手です。
恋愛に限らず、相手が誰であっても安定した関係を長くは続けられないことが多いです。
長く付き合うことで育まれていく愛情や、築かれていく信頼関係によって得られる安心や居心地の良さを知らず、それらを求めながらもその方法が分からずに悩み、いつも孤独を感じています😢
常に誰かに認められたい、必要とされたいという強い願望を持っています。
恋人関係になれれば、自分が彼に必要とされていることの証になるので、この願望を満たすことができます。ただ、恋人になれたらなれたで、今度は彼に見捨てられることへの不安や焦りが出てきて気持ちが不安定になり、彼との関係を自分からこじらせてしまうことも良くあります。
●恋愛依存症は大きく分けて、
共依存型と回避型がありますが、今日は自分を大切にできない、自分の問題と向き合うことができない人が陥りやすい「共依存性恋愛依存症」についてお話したいと思います。
共依存型恋愛依存症の人は、相手に必要とされることで自分の存在価値を見出そうとします。
相手のことばかり気にして、相手のためなら何でもしてあげたいと思います。彼に喜ばれることが唯一の「幸せ」であり、「彼から必要とされているんだ」という思い込みが唯一の安心感になっているので、当然彼に夢中になります。「死ぬほど好きになってしまった」「彼しかいない」「彼と別れるなら死んだ方がいい」などと言ったりします。
共依存型恋愛依存症の人は、自分のことを大切に思ってくれるいわゆるふつうの人と付き合っても、或いは結婚しても、なぜか心が落ち着きません。何かと理由を付けては、ちょっと問題のある人や訳ありの人を探し求め、そういう人と付き合うことで、自ら不安定な生活を選んでしまいます。
周りから反対されるような人に惹かれ、そういう人と付き合うことで、ダメだと思っている自分の存在価値を上げたいのです。要するに自己肯定感が低いのです。
恋愛依存症の人は、自分を必要としてくれる人がいないと激しい虚無感に襲われます。この虚無感が怖くて彼となかなか別れられず、そのストレスから過食することもあります。或いは彼に依存することで過食を止められている人もいます。
●本当に思ってくれる人たちがいなくなる
ひとつのことに執着すれば、それ以外のことは見えにくくなります。依存症になると、視野や思考はとても狭くなります。頑固だと言われるのはそのためです。
自分、或いは彼以外の人の意見は一切受け入れなくなり、心配してくれる人から「彼と別れた方がいい」と言われれば、その人との関係を絶ってしまうこともあります。
ますます彼のことしか考えられなくなり、本当に彼女のことを思って救ってくれる人が誰もいなくなってしまいます。
(ここ最近では、眞子様や小林麻耶さんが恋愛依存に陥ってはいるのではないかと心配されてますよね💦)
●彼を失うと
彼が自分から離れていくと、息が出来なくてもがき苦しむような虚無感に襲われ、辛すぎて耐えることが出来ません。そのため、今すぐにでも自分を必要としてくれる別の人を見つけたい!!となり、そういう相手を探し始めます。(こうなることを恐れて同時期に複数の人と付き合う人もいます)そして、高い確率でまた元カレと同じ訳ありの人を選んでしまいます。
この負のループを繰り返すうちに、相手の男性の質はどんどん悪化していきます。
同時に、自分自身に対する危機管理能力もどんんどん麻痺していきます。視野も思考も狭まり、心配してくれる人もいなくなり、善悪の判断もつかなくなります。でも孤独であるがゆえに彼しか見えず、「彼さえいればいい!」となります。
事件に巻き込まれることもあります。
皆さんは結婚詐欺についてのテレビ番組などを見て、「どうして名前も知らない男に大金を渡しちゃうわけ??全然理解できないわ」と不思議に思ったことがありませんか?でも、結婚詐欺に遭う女性がもし恋愛依存に陥っていたと考えれば、どうでしょう。
更に悲惨な事件ですと、子供を家に置いたまま男と旅行へ。その間に子供が死んでしまった。世間から鬼母と非難されるこういう女性もまた恋愛に依存していた可能性が高いです。
●自覚がない
でも、深刻な状況に陥っているにも関わらず、恋愛依存症の人は自分が恋愛に依存していることを認めたがりません。認めたら、またひとりになってしまうし、彼と離れたらまたあの虚無感に襲われる。それがとても怖いのです。
でもそれは、今までと同じように自分ひとりでどうにかしなければいけないと思っているからです。
●恋愛依存症を克服するためには、
家族や友人に相談しても、「そんな男とはすぐに別れなさい!」と言われるだけだし、そうしたくてもできないから悩んでいるわけで…という方は、利害関係のないカウンセラーに相談してみてほしいと思います。
もうひとりでどうにかしようと思わないでほしいです。ひとりで悩んで苦しんできたから依存症になったのです。
依存症を克服するためのサポーターを見つけて、その人と一緒にどうしたらいいか考えていくことが大切です☘
自己開示(自分の気持ちを素直に打ち明ける)、自己肯定感や自己効力(やればできる!)の回復、場合によっては、恋愛への歪んだ認知を変えていく必要もあります。
これらが回復すると、気持ちが楽になり、自分のことも相手のことも大切にできるようになり、安定した関係が長く続けられるようになります。それによって愛情や信頼関係を高めていく喜びも感じられるようになります♡ ←経験者は語るです☺
今月も皆さまといろんなお話ができることを愉しみにしております。
どうぞよろしくお願いします。
令和2年12月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや