摂食障害専門カウンセリングルーム あや相談室

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1月のひとこと

●可愛げのある人
 幕末の志士(身を犠牲にして国や社会のために尽くそうという高い志をもっている人)である坂本龍馬や西郷隆盛は人望の厚い人だったと言われていますが、作家の司馬遼太郎氏曰く、このふたりはとても可愛げのある人たちだったとのこと。
 可愛げとは、自分の我を出さないこと、人を切らないことだそうです。龍馬と隆盛は人と接する時に、自分の意見は言わずに相手が話すことを「そうか、そうか」とじっくり聞いて「あなたの意見はよく分かる」と言って、決して反論はしませんでした。他人のことを悪く言うことも、切ることもなかったそうです。ふたりともどちらかと言えば鈍感に見える人物だったようです。だからこそ、多くの人たちに「あの人は私の考えを分かってくれている」と思わせることができ、彼らの周りにはいつも人が集まっていたのでしょう。
 このふたり以外の幕末の志士たちはものすごく頭の切れる熱い男たちでしたが、いわゆる可愛げのない人たちでした。自分の意見が絶対!自分が正しい!と信じているので、我を通すのは当たり前だと思っていました。だから周囲の人たちを平気で見下したり切ったりしました。かの有名な勝海舟も可愛げのない人だったので、坂本龍馬や西郷隆盛のように人望に恵まれず、人を集められず、幕府からも信用されなかったそうです。
 ところで、龍馬自身は自分が鈍感に見られることを気にして、もっと人に厳しくなろうとしていたそうです。彼は自分の性格が優しすぎるので、自分を戒める自戒の書を書いたりしていたのです。それでも人に優しい性格を変えることができなかった龍馬は本当に可愛げがある人だったんな~と思いました。

●可愛げのない人
 女性は本能的に「周りに自分が必要とされることを必要」としています。一方男性は「自分に能力があることや自分が優れていることを肯定されたい」と思っています。
 一部の女性は、自分の仕事を完璧にこなし、結果を出す努力を惜しまず、周りにもそれを求めます。そうすることで組織や上司に必要とされる人間になろうとするのです。本人にそのつもりはなくても、自分の仕事を完璧にすればするほど、周囲に攻撃的になる女性もいます。
 こういう女性は、頭が良くて頑固で、でもって不器用。本当は心が弱くてみんなから必要とされたいと思っています。ところが、自分の能力を肯定されたいと思っている男性からはどうしても疎ましがられてしまいます。
 男性は、自分が生き延びるためのスキルや防衛スキルを否定されることをとても嫌がります。仕事の出来る女性が男性に対して「仕事の出来ない人!!」「私の方が優れているじゃん!」と思った時の表情や言動がこれに当たります。女性はこれを意識的に或いは無意識にしてしまうことが多く、そのたびに彼らのプライドをグサグサと傷つけます。「弱い女はいない、強い男は少ない」という言葉はこんなところから作られたのかもしれませんね。 とは言え、先の坂本龍馬と同じで、可愛げのない自分を変えたいと強く思っていろいろやっても、なかなか変われないことも・・・。長所は短所、短所は長所。変わらぬ自分をどう扱うかが大切です。
 「置かれた場所で咲きなさい」というベストセラーがありますが(ごめんなさい。さらりとしか読んでません^^;)私は可愛げのないタイプなので組織に属すのは苦手だし苦痛でした。何度かチャレンジしましたがそのたびに自信を無くし摂食障害をぶり返してしまい続けられませんでした。そこで、組織ではデメリットにしかならなかった自分の短所を、メリット(長所)として活かせるフリーの仕事を選びました。
 今年、あや相談室は開設17年目を迎えます。目立たず地味に咲く小さな花ではありますが、こうして長く咲き続けていることに大きな幸せを感じています。自分らしく咲いていることで心に余裕が持て、可愛げの「か」の字くらいは保てている感じもします(笑)
 皆さまにも必ず自分に合う場所があると思います。合えば幸せだし、頑張れるし、続けられます。皆さまに合う場所を見つけられるのは皆さまご自身の過去の経験、体験の振り返りが必要不可欠です。今年もカウンセリングを通して、皆さまがより自分らしく花を咲かせられる場所を一緒に見つけていけたらいいなと思っております。
 2016年が皆さまにとって笑顔の多き可愛げのある1年でありますように☆
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2016年1月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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