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11月のひとこと

●見ない権利~便利と危うさ(不便)は紙一重~

ネットや携帯電話が普及し始めたのは今から約15年前のこと。それ以前は目の前にいる人と別れたら、その人との関わりもそこで終わり!その後は自分のため、或いは家族と過ごすための時間でした。全てにおいて、リアルな人間関係でしっかりコミュニケーションを取って解決することが当たり前の時代でした。

ネットや携帯電話の普及し始めると、24時間絶え間なく不特定多数の人とつながることが可能になりました。目の前の風景や人物を見るよりもネットを見ている時間の方が多い・・・なんて方も少なくないと思います。意識して確保しないと保てなくなった自分のため、或いは家族と過ごすための時間。

よくよく考えてみたら大して必要のない情報なのに、必要の無い相手なのに、つながっていないと不安になってしまう。知れば知るほど気になるのに、知らずにいても気になってしまって落ち着かない等というお悩みをよく耳にします。

私たちは、パッと目に入ってきた情報を瞬時に信じてしまいがちなところがあります。
mixi、twitter、Facebook、LINEの普及により、昔ならば見ることも知ることもできなかった情報や他者のライフスタイルを簡単に知ることができるようになりました。なんと便利な世の中でしょう!
でも便利と危うさ(不便)は紙一重です。
これらの便利なツールを特定の人物を知るために利用し始めると、心理的・精神的に強いショックを受けたり、些細な情報に大いに惑わされたりして、生活に支障が出てくることもあります。

一番怖いのは、目に見える一部の情報だけで相手のことが分かった「つもり」になってしまうことです。「つもり」ほどやっかいなものはありません。目に飛び込んでくる情報だけを信じるのはとっても楽なことです。日頃から、そういう情報を鵜呑みにしない意識が必要です。もしそうする自信が持てないならば、最初から見ない権利を維持している方が楽だし賢明です。自分は依存体質だと自覚されている方は特にそうです。

欲しい(偏った)情報がすぐに目に入り込んでくるのですから、五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)をフルに使うリアルな人間関係は面倒臭かったり重く感じるのも当然のことかもしれません。
でも、便利で危うい時代だからこそ、時間をかけてお互いをゆっくりと知っていくことが大切なんだろうなと思います。

最後に。「どうしたらいいか分からないとき」は、「自分らしさを見失っているとき」です。こんなときは「今、自分がやるべきことを1つ1つ淡々とこなしていく」といいと思います。今やるべきことに意識を集中させることで、そぞろになった気が心の中心に戻ってきて、冷静さを取り戻せます。

2014年11月3日
摂食障害専門カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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