2月のひとこと
●母性愛・幸福ホルモン・オキシトシン
よく耳にするようになった言葉「セロトニン」。セロトニンは、ストレスに強くなる・神経を安定させる効果がある「幸福物質」と言われている神経伝達物質のことですが、このセロトニンと同じような作用のあるホルモンがあります。それは「オキシトシン」です。
オキシトシンは哺乳類だけが持っているホルモンで、心が癒やされ幸せな気分になる効果があるため「幸福ホルモン」として注目されています。最近の脳科学の研究で、オキシトシンには母性愛や愛情に溢れる心の状態をつくり出す効果があることが分かってきました。オキシトシンの分泌が少ないと、人との関わり方に様々な問題が生じてきます。例えば、我が子に愛情を感じず虐待や育児放棄をしてしまう女性や、家庭内暴力をしてしまう男性などはオキシトシンの分泌が少ない可能性が高いです。
オキシトシンが十分に分泌されていると、脳の疲れを癒し、気分を安定させて人に対する信頼感が増し、心地よい幸福感をもたらしてくれます。しかも、オキシトシンが分泌されるとセロトニン神経も活性化され、心の疲れも癒されて生活そのものに充実感が出てきます。これにより更に幸福感が強まります(^_-)☆
そんな素晴らしい作用や相乗効果が期待できるセロトニンとオキシトシン。どうしたらこの2つを脳内に十分に分泌できるようになるのでしょうか。そのために必要なことをまとめてみました。
●まずはひとりでできること。
1、夜は12時までに眠る。
2、夕食後はパソコンを操作しない。
3、夜は携帯電話で長話をしない。ベッドの近くに携帯電話を置かない。
4、朝日を浴びる。
5、朝晩、5~30分間、軽く汗をかく程度のリズミカルな運動を行う。
(散歩・水泳・ランニング・自転車漕ぎなど)
6、腹式呼吸をする。(これらを意識して行うストレッチ、ヨガ、坐禅など)
●次に他人と一緒にすること。
7、他者との触れ合いを大切にする。(スキンシップ、マッサージなどのグルーミング)
8、感情を素直に表す。(今感じた自分の気持ちを口に出す。カウンセリングなど)
9、親切を心がける。(思いやりの気持ち)
どれもこれも健康的な生活を送るために必要なことばかりですよね。でも人によって、今すぐにできそうなこともあれば、そう簡単にはできないこともあると思います。まずは今のご自分でできることから毎日意識して続けてみてください☆
1~3は良質な睡眠をとり、4~5をスムーズに行うためのものです。
4~6はセロトニン神経を活性化します。
7~9はオキシトシン分泌を促し、セロトニン神経も活性化させます。
オキシトシンが十分に分泌されるようになると脳の疲れがとれるだけでなく、心や体も健康になります。
昔のように人と人との関わりが密だったころとは違い、今の日本は、オキシトシンが分泌されるための7~9の行為をあまりせずとも一見何の問題もなく生活が出来てしまいます。ところがそのせいでオキシトシンが関与しない人間関係が多くなりつつあります。つまり、脳の疲れが取れず不安定な気分になり、人に対する不信感が増し、不平や不満が溜まりイライラウツウツしてしまう人が増えているのです。そこから生じる様々な問題があります。依存症、幼児虐待、DV、いじめなどの問題は当事者だけの問題ではなく、母性愛や愛情を高めるオキシトシンが分泌されにくい今の社会環境にも大きな原因があると思います。
問題行為をしてしまう人は愛情に飢えている方が多いです。愛情をたっぷり注いでもらって育った人は甘え上手ですし、他人にもふつうに愛情を注ぐことができます。ところが、愛情をあまりかけてもらえずに育った人は甘え方が分からず、他人への不信感が強く、他人から愛情をかけてもらえても、それに慣れていないために嫌悪感を抱いたり、何か裏があるんじゃないか?と疑ってしまい素直に受け取ることができません。でもそういう人こそ愛情が必要なのです。そういう人にこそ愛情を注いであげてほしいのです。
ご自分の生い立ちや過去に辛い経験があったとしても、ご自分でオキシトシンがたくさん分泌させるような生活を心掛ければ、いつからでも幸福度を高めていくことはできます。そこから愛情の連鎖が始まり、負の連鎖は止めることができます。これは私自身が体感し、納得できた経験でもあります。
私は、愛情とか思いやりという感情がよく分からないまま結婚し出産しました。我が子への愛情表現がとても苦手で苦痛でした。でも必死に愛情っぽい言動(上記の7~9)を繰り返しているうちに、ささやかな幸せをしっかりと感じられるようになり、心から笑うことが増えてゆきました。
あなたの周りにいる誰かが寂しそうだったら、落ちこんでいたら、傷ついていたら、顔が暗そうだったら、先に書いたオキシトシンやセロトニンアップの方法をあなたがその人にやってあげてください♪きっと、やってあげたあなたもやってもらった人もじんわりじんわりと幸せを感じていけるはずです。
あや相談室のカウンセリングでは、オキシトシンやセロトニンアップの具体的な方法もアドバイスしております。興味のある方はご相談・ご質問ください。
2014年2月4日
摂食障害専門カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや