10月のひとこと
すっかり秋ですね♪秋は天気の良い日はとても気持ちが良いですが、台風の多い季節でもあります。天候が不安定な時は自律神経のバランスが崩れやすいので、その自覚がある方は自律神経を整えられるMY SPOT(my favorite place)を見つけておくといいと思います☆
MY SPOTは「自分が気持ち良いと思えるひととき」です。みなさんは、ここに来ると・これをするとホッとする・落ち着くという場所や方法をお持ちですか?人づきあいの苦手な私の最近のお気に入りはブックカフェです♪誰にも気を使わずに好きな本や雑誌を眺めながら、美味しいケーキやコーヒーを楽しみながらのんびりと過ごせるお得感にハマっています。「きっとこの人たち(同じく読書をしている周囲のお客さんたち)も私と同じ気持ちなはず~♪」と思い込むことで、勝手に連帯感を抱いて孤独感を癒しています(笑)
●「何かを諦めないために、何かを諦める」
やればできる!逃げるな!前向きに考えろ!じっくり考えろ!妥協するな!諦めるな!・・・心身共に熱くて強いスポーツ選手の書いた本にはこういう言葉が目立ちます。そんな中、異色の本を見つけました。400mハードルの五輪メダリストの為末大さんが書いた「諦める力」プレジデント社・1575円です。
世界大会において、トラック種目で日本人初となる2つのメダルを獲得し、3大会連続オリンピックに出場した元陸上ハードル選手・為末大さん・・・と書くと、その華やかなキャリアに「すご~い!」って思います。でも、素人にはよく分からないことですが、400mハードルって結構マイナーなんですって。でもって、陸上の花形は100m走なんですって。
彼は、そんな陸上の花形である100m走ではどう頑張っても自分はトップにはなれないことを悟り、早々とマイナーなハードルの方へ転向しました。でも、周囲にその理由をなかなか言えない彼。なぜならば、日本では彼の行為は「逃げたこと」「途中で諦めたこと」になるからです。そして彼もまたそのことを非常にネガティブにとらえていたのです。
彼が陸上人生で初めて味わった「諦め」の経験。彼はその後、「諦め」に対する日本と欧米でのとらえ方・考え方の違いを知って驚きます。そして、「夢を追い続けるために諦めることこそが重要である」とし、その心理について体感したこと・学んだこと・悟ったことを「諦める力」という本にしました。
本の内容紹介では、勝てないのは努力が足りないからじゃない。前向きに「諦める」ことから、自分らしい人生が開けてくる。「夢はかなう」「可能性は無限」という言葉に勇気をもらう人もいれば、とことん苦しめられる人もいる。結果が出なくてもやり続ける、やめないでがんばることも尊いことだが、それ自体が目的化してしまうと、自分というかぎりある存在の可能性を狭めることにもなりかねない。諦めるということは、そこで「終わる」とか「逃げる」ということではない。与えられた現実を直視し、限られた人生を思い切り生きるために、自分にとってベターな選択を重ねていくこと、これが「諦める」ことの本質である。何かを諦めながら何かを選び取る。その繰り返しの上に「自分らしさ」が生まれてくるとありました。
私はこの本をブックカフェでさら~と軽く読ませていただきました。なるほど~☆と思う言葉がいろいろあったのでご紹介しましたが、後半は繰り返される彼の真面目な主張ぶりにやや飽きてきて・・・・早速「諦め」を実行いたしました(笑)。為末さん、ごめんなさい!
確かに、「諦めること」「逃げること」「割り切ること」は日本ではネガティブワードとしてとらえられがちです。でもこの言葉を辞書で引いてみれば分かるように、本当は決してネガティブな言葉ではありません。逆のケースもあります。例えば、「やればできる!」は励ましの言葉ですが、言われた本人にとってそれは応援でもなんでもなく、余計なプレッシャーと気遣いを追わせることになることもあります。言葉にしても何にしても、人には必ず「合う・合わない」があるということです。
私は、逃げちゃ行けない!続けないとダメ!前向きじゃないとだめ!妥協しちゃだめ!諦めたら終わり!休んだらダメ!気を緩めたらダメ!とずっと思って生きてきました。こう思うことが当たり前だった頃は本当に辛かったです。でも何が辛いのかも分かりませんでした。当たり前のことが当たり前にこなせない自分がとにかく情けなくて辛すぎて、もうどうしようもなくて逃げるしかなかったのです。逃げて、病んで、止めて、辞めて、諦めて、休んで、緩めて・・・その結果、体重がものすごく増えてしまいました。でもこれが今の私なんだ・・・・と絶望の中で認めたら、それ以上太ることはなくなりました。同じく、もうこの自分で一生生きていくしかないんだと本気で思ったら、少しずつ、今の自分に合うもの・人・場所が見えてきました。
今はもう自分に合った生活がどんなものかよく分かっているので(自分に合わない生活もよく分かっているので)摂食障害をぶり返すことはないでしょう。だけど、自分に合わない生活をどうしてもしなくちゃいけなくなったらぶり返すと思います。それが摂食障害という形じゃなく別の形で出たとしても同じことです。その時のことはその時になってみないと分からないけど、人生に絶対はないからしょうがないですね^^;これからも自分に合った生活を維持できるように頑張ることも大切ですが、それと同じくらい逃げること&諦めることも前向きにとらえて過ごしていきたいなぁと思っています。
2013年10月1日
摂食障害専門カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや