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9月のひとこと

まだまだ暑いですが、朝夕に吹く風にふと秋を感じます。さて、皆さんは、秋と言えば何を連想しますか?私が真っ先に思うのは「食欲の秋」ですが、これは昔から言われている言葉。秋に食欲が増すのは当たり前のことなのでしょうか。考えられる理由をいくつか挙げてみたいと思います。

●秋になると食欲が増す理由
1)日照時間の減少
 このことについては、以前私の日記「ウィンタブルー」にも書きましたが、太陽がさんさんと降り注いでいた夏に比べ、秋は日照時間が減り明るさも低下します。
 精神の安定感を保つ作用のある脳内の神経伝達物質であるセロトニンは、食欲の調整にも深く関わっています。実は、このセロトニンは日の光を浴びた時間によって分泌量が調節されることが関連研究の結果で分かってきました。つまり、日光にあたる時間が減る秋は、夏に比べてセロトニンの分泌量も減ってしまうのです。でも、日にあたる以外にもセロトニンの分泌量を増やす方法があります。それは、糖質・乳製品・肉類などを摂ること&睡眠をとることです。
 秋に食欲が増すのも眠くなるのも、そうすることで私たちの体は、精神の安定を保とうとしているからなのかもしれません。もし睡眠不足や不眠があれば、その分食欲が増すことも考えられます。
 気象庁統計資料(東京の平均日照時間と日射量の折れ線グラフ)を見ると、9月~10月にかけて日照時間も日射時間も共に一気に減少していました。この時期に愛犬の散歩をしている私もそれはごくごく自然に感じられます。
 光を浴びれば心が落ち着き食欲も抑えられるならば、部屋の照明をいつも明るくしていればいいのでは?と思われる方もいるかもしれませんね。実は、室内照明をどんなに明るくしてみても、大雨の日の室外の明るさ(ルクス)にすら及ばないのです!ルクス測定値で比較すると、室内照明の明るさは晴天日の日中の明るさの1/2000にもなりません。ちょっとびっくりですよね☆そもそも人工的な室内照明と自然な日の光では、明るさを感じる仕組みが異なるからなのですが、いずれにしてもどんなに頑張って室内を明るくしてみたところで、外に出て日の光を浴びることには全くもって勝てないことが分かります。
 これから日が落ちるのがどんどん早くなり、寒さも増していきますが、だからといって室内にずっとこもっていると、「食欲の秋」な脳になってしまうのはある意味ふつうのことなのです。
 そんな脳の働きをコントロールするためには、晴れた日はとりあえず外に出て、ありがたい日の光を浴びることです♪ そのためには、芸術の秋♪スポーツの秋♪美容の秋♪等々。そのことを考えると♪な気分になるようなことを今からいろいろ考えて計画しておくと良いと思います。

2)気温の変化に対するからだの反応 
 「気温が下がると基礎代謝率がアップする」は一度は耳にしたことがある話だと思います。気温が下がると体温を保つために体の熱産生が高まるからです。つまり、寒くなるこれからの季節は基礎代謝率はどんどん高まっていくのです。食欲がなかった夏とは逆に、基礎代謝がアップすればそれだけエネルギーを多く使い、その分を補給しようと食欲が増します。ただ、今は年中エアコンで室内温度を調節できるので、季節変化による基礎代謝への影響はそれほど重要視しなくても良いのでは・・・という説もあります。

 上記に書いた理由以外にも、食欲が増す理由はいろいろあると思います。秋冬が旬の食材の美味しいこと!美味しいこと!コンビニやデパ地下を通ると、秋の新スイーツが私に向かって、「私を食べて~」とささやくのです(>_<)も~、嬉しいやら恨めしいやらです(苦笑)。
 食べ物が摂れなくなる冬に向けて栄養のあるものを体に蓄えておくという、「生き物の自然の摂理説」もありますよね。このように、誰にも当てはまる要因&その人だけが当てはまる要因が相互に作用し、「食欲の秋」につながっているのだと思います。

 「食欲の秋」だけじゃなく、何か問題が生じたときに、「これとこれが要因かな?」とちょっと考えたり理解してあげることができれば、同じことを繰り返さぬように何らかの対処や対策を練ることもできます。どんな要因があるのか、どんな対処法があるのかなどについては、カウンセリングを利用してご相談・ご質問をしていただければと思います。カウンセリングでのひとときが、皆さまにとって、「話して気づく秋♪」になれたら、私も嬉しいです♪

2013年9月1日
摂食障害専門カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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