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5月のひとこと

●考え方は変えるものではなく、増やしていくもの。

 頭を使って考え方を変えようとしても無理です。でもだめな自分でも会える人、ホッとする場所、惑わされない情報などを増やしていく意識を持つと、自然に考え方が1つ、2つと増えていきます。そしてその中からその時々の自分に合った考え方をチョイスできるようになります。

 突然ですが、あなたは電車の中で、目の前にいる人にジーッと見られたらどう思いますか?どうしますか?私はまずは「顔に何かついているのかな?「「チャックが開いているのかな?」と思うと思います。疲れがたまっている時ならば、「私、この人をなんか不快にさせてしまっているのかな・・・」などと悩み出し、その漠然とした不安から泣きたくなってしまうかもしれません(^_^;)。元気ならば、そもそも前にいる人なんて見もしないので、あれこれ気に病むこともないでしょう。

この話を、数少ない友人のひとり、美人で前向きで自立した素敵な女性Mさんに話したら、「私なら、私に好意があるのね♪と思うけどな~」と言われました。ひゃ~~~!!なんてポジティブなんでしょう☆彼女のように考えられた方が絶対に得だし、その良い思い込みのおかげで彼女はその日1日中ルンルンでいられ、さらにきれいになっていくはずです。
悪い思い込みと良い思い込みが与える影響の差はすごいのです。Mさんのように思えたらどんなに良いでしょう。でも、どうしても彼女のように思うことのできない私(-_-)zzz

 渦中にいた頃、認知療法を受けたことがありますが、こうとらえた方が良いと言われ、そう思ってはいるのですがそうすることがどうしてもできない自分が悲しくて、そんな自分をさらに責めてしまいました。自責の念は、間違いなく心を病ませます。なので途中で受けるのをやめてしまいました。摂食障害が治った今でも相変わらず悩みは尽きず、ネガティブだし、自分に自信もありません。つまり考え方が前向きになったから治ったわけではないのです(苦笑)。じゃぁ、どうして摂食障害を克服できたのかと言うと、「ありのままの自分を受け入れること」にしたからだと思います。

 「変わらなきゃいけないんだ!!」ではなく、「変わらなくてもいいや~」といろんなことをあきらめ捨てはじめてから、激しく変化してきた私の外見と内面が緩やかに安定しはじめました。
私はおかしいんだ!こういう風にしないとだめなんだ!と思うと、だめな自分を責めてしまいます。自分からいつも責められてばかりの私の体は、辛い現実から逃げたくて過食ばかりしてどんどん太っていきました。この悪循環に心底嫌気がさしたとき、「だったら、こんな自分じゃだめなんだ!」とは思わないで済む人、場所、情報だけを大切にしよう!!」と決めました。要するに、今までずっと責めてきた認めずにいた「だめな自分を受け入れる生活」をしていくことにしたのです。この決意には、大好きなんだけど全然続けられない「忍耐、努力、我慢」は全く必要なくて、その代わり、今まで目を背けてきた、自分に合う人、場所、情報にしっかりと意識を向ける「勇気」だけが必要でした。
それまで、正しいか間違っているかでしか物事を考えずに生きてきた私にとって、「今の自分に合う・合わない」を基準とした探検は抵抗感が強くて大変でしたが、やってみたら意外と楽しくて楽で、しかも過食が減って、びっくりしました☆

 先ほどの電車内の例えで言うならば、Mさんのように前向きなとらえ方を
するようにしたのではなく、ネガティブにとらえてしまう自分を受け入れ、
そんな自分がなるべくネガティブな感情にならないような「対策」を考えました。たとえば、マスク、サングラス、帽子、読書、ヘッドフォンなどを利用し、他人の目や声をシャットアウトしてみました。
つまりどういうことをしたら、ありのままの自分を安心させることができるのか、いろいろ試して体感してみたのです。やってみると、何が合うのか合わないのかが分かり、いろんなことが納得できました。他にも、大きなバッグ(必要なものをたくさん入れてある)を持っていると安心する。サングラスや、帽子とマスクをしていると安心する。手が全部隠れるような長い袖の服を着ていると安心するなどがあるようです。

 また、先にもお話しましたが、疲れているときほど、人目を気にしたり、人と比べたり、物事を悪い方にとらえてしまうので、まずはそこに「気づく」ことができればいいなと思います。電車内での他人の言動がすごく気になった時は、「他人の言動1つ1つに神経を尖らせてしまう今の自分は疲れているんだな!」と気づいてほしいのです。そうすれば、その疲れを取ることに目を向けられるし、向けなければいけないし、他人の言動にむやみやたらに振り回されることもグッと減ります。
ちなみに、今の私にとって、電車内=読書に集中する時間なので、他人の目は全く気になりません。でも未だに、読む本がないと結構そわそわしてしまいます(笑)。
 
 このように、今の自分に不都合なものは、「見ない、聞かない、入れない」という前向きな「逃げの意識」と、そのためのグッズの用意があれば、気持ちも変わってくると思います(^_-)☆ 自分で自分を大切にする・自分で自分を守る意識あるのみ、訓練あるのみです。ゆるーく頑張りましょう♪

 最後に、ひとりで悩まずにぜひカウンセリングもご利用ください♪
今までお会いした皆さんから頂いた貴重な体験や豊富な知恵の中から、今のあなたに合うものを提供させて頂きます♪
「話すことは気づくこと」。まずはここから始めましょう。

2011年5月1日 
摂食障害専門カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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