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子供に接するために必要なこと
2004/01/06

あなたの心を弾ませる出来事がいつもいつも子供に関することばかりであったら。逆にイライラする種を我が子に見つける毎日だったら。子供は知らず知らずのうちにかなりのストレスを蓄えているはずです。

「親の愛は海よりも深いなんていうのはウソですね。子供を自分の思うようにしたいというエゴは深いでしょうが(笑)。
子供は心から親が好きです。だからささいなことでも親の期待に応えようとしてくれる。親もそういう【良い子】が嬉しい。
どちらも気づかず、無意識にやっている。
でもやがて子供のストレスの臨界点がくる。本当に突然やってくるんです。

とくに夫婦中が良くない状態の母親は、自分の存在の不安を子供で埋める。子供が自分の手の内で動いていることが大きな安心感をもたらすから。
愛情をかけるという「思いこみ」で、子供の全生活の支配が始まる。手を挙げたりすることはなくても、これも虐待。優しい虐待。

僕は厳しい父に育てられた。手を上げられることも多かったし、馬乗りで殴られたこともある。父へのわだかまりは強かった。
でもこの年になって、カウンセラーから「あなたは母親に怒りをもっていたのね」と言われた。目から鱗でした。僕は母に、僕を殴る父を止めて僕を守ってほしかったんですね。

僕は自分の体験があるからこそ、少年事件にかかわり続けています。彼らの気持ちが分かる弁護士が必要だと思うから。

<迷い続ける親へ、子供に接するために必要なこと5箇条>
1)夫婦は仲良く。それができないなら離婚すべし。
2)子供に期待をかけすぎない。
3)うるさい!というのは禁句。拒絶になるから。「後で聞くね」と言うこと。
4)愛情表現は言葉にする。そのまま正直に言わなければ子供には伝わらない。
5)親も悪いと思ったら必ず謝る。親のプライドは何にもならない。
でも一番いいのは、親が楽しい毎日を送り、子供をのびやかにさせておけること。

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*H16.1.5 朝日新聞 あの人とこんな話 伊藤芳郎(弁護士)

読みやすいように語尾などをちょっといじらせていただきましたが内容は変えていません。

・・・とは言え、なんでもかんでも親のせいにするのもどうかと私は思います。かくいう私も昔はなんでもかんでも親のせいにしていましたが、そんな自分も親になった今、親の役割の難しさを毎日痛感しております。
私は親のエゴが悪いとは思っていません。だって親ですもの。子供を想う気持ちに良いも悪いもないと思うのです。でも子供に対する愛情も心配も行き過ぎれば依存症です。現実逃避術です。
もし今、この状態に陥っているご両親がいらっしゃるならば、是非とも気づいて頂きたい。
自分の接し方にも問題があるのだということを。

子供のせいにばかりしないで、子供ばかりに目を向けていないで
まずは自分で自分の心に余裕を取り戻す勇気を持ってください。あなたが自分で自分の心に余裕を持てるようになれたら、それは子供にとって何よりも見本になります。目の前にステキな見本があれば、子供は安心してそれをマネしたくなります。でも残念なことに逆も同じなんです。
目の前に悪い見本があっても、子供はそれをマネするしかないんです。

お子さんに手を上げてしまうお母さんがこう言いました。「私も厳しい親に育てられた。でもそうやって親に教えられたことだってある!」と。でもこれはとっても悲しい言い訳であり、自分に自信のない人の自己防衛術です。
体罰や感情的な叱責によって、本当はこのお母さん自身もすごく傷つけられて生きてきたのに、そのことを認めたくないのでしょう。認めてしまったら、これから先、子供に何をどうしたらいいか分からなくなってしまうのでしょう。
でもいいんです。別に無理して何かを認めなくてもいいです。
とにかく伊藤さんの考えた
<子供に接するために必要なこと5箇条>の中の1つでも2つでもいいから、今のあなたにできることから始めてみてください。きっとあなた自身が楽になれると思うから。

ここに伊藤さんの言葉を書いたのは、私自身がこの5箇条を忘れずにいたいと思っているからです。
2004/01/06
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