|
|
|
自助グループ(3)
2003/06/23
自助グループにはその後も何度か行った。 ここしか私を分かってくれるところがなかったからだ。 そう思いこんでいたと言った方が正しいかもしれない。 とにかくそこは、どこにも行けない私が唯一行ける場所だった。
徐々に知り合いも増え、なんでもしゃべれるようになってきた。 最初に感じた疎外感もなくなり、行くのが楽しみになってきた。 「辛いんです」と言うとみんなが頷いてくれた。 何故そう思うかなんて言わなくても分かってくれる。 それがすごく嬉しくて、すごく安心できた。
ある時、誰かが「最近すごく調子が良くて、なんか このまま治っていく気がしてきたんです♪」と言った。 そしたらお局さまが「また悪くなるかもよ〜。 あんまり期待しないことだねー」と笑った。
あれ?ここは言うだけ、聞くだけじゃないの? でも実は私も心の中ではそう思っていた。 状態が良くなっていく人たちを見ると焦った。 そしてそれを邪魔したくなった。 「どうせ駄目だよ。駄目に決まっているじゃんか!」と 思うのが当たり前になっていた。
そんなことを思う自分や、そんなことを普通に言える その会の雰囲気がなんとなーく嫌になってきた。
私もみんなも、治りたいし治したいはずだ。 その気持ちを支え合い、励まし合うのが自助グループの 目的なんじゃないの? ここでしか分かってもらえないことは沢山ある。 でもここだけでいいの?ここにずっといれば治るの? 私は勇気を出して聞いてみた。「治った人は来ないのかな」 お局さまが言った。「治ったら誰もこんなとこ来ないでしょ(笑)」
治った人が参加してくれる自助グループは、自助グループとは 言わないのかな? そういう会はどこにもないのかな?
私はこの日を最後にその自助グループに行くことを止めた。
友達もできたし、これからはその子といろいろ 話せればいいかなって思ったから。
その子のうちにある日電話をかけてみた。とっても 状態が悪かったから話を聞いてほしくて・・・。 お母様が電話口に出て言った。「A子は死にました」 頭が真っ白になった。手と足ががくがく震えた。 な、なんで?
2003/06/23
|
|
|
|
|