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ほくろ
2003/05/10
小学4年頃になると私は腕のほくろを針で穿って 消そうとするようになりました。 最初はとても痛いかったのですがいつしか 痛さをあまり感じなくなり、癖になりました。 でも消えてもまた出てくるほくろが憎かった。 顔のほくろは怖くていじれませんでした。
私の口の上にはちいさな傷跡があります。 「小さい時に転んで切ってしまったの」と言ってきたけど 本当はほくろを取ってその周りを縫い合わせた時の痕。 中学生のころ、親に泣いて頼んで大学病院で取ったほくろ。 ほくろは消えたけど、新たな傷に泣きました。
18歳になったとき私は美容整形外科に一人で行きました。 ものすごく不安でものすごく怖かった。 でももう誰にもついてきてほしくなかった。 誰にも知られたくなかった。 若い男の先生が丁寧に手術の説明をしてくれました。 大学病院の医師とは全然違う優しい口調に驚きました。 長年悩み続けてきた顎のほくろはアッと言う間に 無くなりました。 部屋を出ようとした時、先生が「よく頑張ったね」と 私の頭を軽く叩きました。 その瞬間、いつからか分からない程ずっとずっと 張り続けてきた緊張の糸がぷつんと切れました。 その音が聞えました(笑)。涙が止まりませんでした。
2003/05/10
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