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ホームシック
2003/08/11

いつも通り朝早くに起きてカフェに行って仕事をしていた。
フロントで働いている子がにやにやしながら誰かを連れて
こっちに来るのが見えた。
「あん?」

ぎゃ〜〜〜〜!!お母さんじゃん。お父さんじゃん。
え〜〜。何で?一体どういうこと?
これは夢??
え〜〜〜〜???
なんで二人がここに居るの?
全然わけが分からなくて、私がカフェの真ん中に突っ立って
号泣してしまった。めちゃくちゃ恥ずかしかった。
あまりに私が泣きじゃくるので、店長が気を利かせて早めに
昼休みをくれたほどだった(^-^;)。

「へへへ、驚いた?びっくりさせたくて内緒にしてきたのよ。
今日だけここに泊まって明日帰るわ。でもここってものすごく
高いのねー。びっくりしちゃったわ」と母。

私のせいで我が家は崩壊寸前。いつからか我が家で聞こえる
声は、私の叫び声と泣き声だけになっていた。
そんな疫病神が、ちょっとだけでもうちを離れたのだ。
家族はさぞかし喜んでいるだろうと思った。もう2度と
帰ってこないでほしいと願っていたんじゃないかとも
思ってしまう。
だからまさかこうして来てくれるとは思ってもみなかった。
ひやかしだろうがなんだろうが素直に嬉しかった。

18歳の私は全然親離れができていなかった。
寂しくて不安で甘えていたくて、いつも周りに求めて
ばかりいた。
そのくせ、何かある度にそれを周りの人や過去のせいにして
生きてきた。

ところが旅先では、駄目な自分を素直に見せられる人がいない。
何があっても、それを誰のせいにもできない。
せいにできたとしてもそれは私の頭の中だけでのこと。
辛かった。気が狂いそうだった。

今まで自分のしてきたことの責任を何1つ取ってこなかった私。
ずっと他力本願で生きてきた私。
そんな私には、普通の人が当たり前にできていることが
辛くて辛くて仕方がなかった。

そこへ、そういう自分を見せられる両親がいきなりやってきた
のだから、たまりましぇーん。
緩めていたつもりでも、実はまだまだ張り続けていた緊張の
糸がぷつんと切れた。そんなときは過食しまくるのが
私の決まりのコース。
糸がぷつんと切れてその場にヘナヘナと倒れて込み、号泣する
なんてことはしたくても滅多にできない(笑)。

その日は3人でいろんな話をした。元気で頑張っている自分を
大いに見せつけてやった。翌日母と父は二人とも安心して
ホテルを経った。そんな二人を見送りながら、私は早くも
ホームシックにかかってしまった(涙)。

2003/08/11
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