ウィンターブルー
芸術の秋、食欲の秋、スポーツの秋等々。
秋は何をするにも良い季節ですが、哀愁の秋、物思う秋などちょっぴり寂しげなイメージもありますよね。澄み切った空、涼しい風、輝く月、紅黄色に染まった木々、鈴虫の美しい音色。秋を肌で感じると心地よくも寂しくて、私もついついいろんなことを考えてしまいます。
秋になると元気がなくなる人が多いと言われていますが、秋から冬にかけての一時的な気分の落ち込みについて、1980年代半ばアメリカのある精神科医が「ウィンターブルー」という名前をつけました。ウィンターブルーは女性に多く見られ、その数は男性のなんと約4倍!落ち込む理由が特に見あたらないことや、朝より夕方に気分が重くなるのが特徴です。
さて、このウィンターブルー。原因は「日照時間とセロトニンの減少」によるものではないかと考えられています。眠りを誘い、免疫力を高め、気分の落ち込みを防ぐ優等生ホルモン・メラトニンは太陽光線のような強い光にコントロールされています。このメラトニンが盛んに分泌する夏と違って、日照時間の短い秋冬はメラトニンの分泌量やリズムが乱れ、それによって体や心に様々な不調を来すと考えられています。太陽の光をなかなか浴びることのできない東北地方や北欧、北米にウィンターブルーになる人が多いのも頷けますね。そう、秋冬の憂鬱感、空虚感を緩和させる為には太陽の光をしっかり感じることが大切なのです。また、秋冬は春夏と比べ脳内の精神伝達物質・*セロトニンの分泌量が極端に減少することも分かっています。特に夏から秋にかけての分泌量の落差はかなり激しく「夏の間はとても元気だったのに秋になったら気力が出なくなってしまった」と困惑されている方も多いのではないかと思います。かく言う私もこの時期の感情の著しい変化には毎年おろおろしてしまいます(^-^;)。
でもこちらも「減少したセロトニンを補ってあげるという意識」を持つことで、安心感を増やしていけます。私は不安で落ち着かなくなると「とりあえず」ストックしてあるク○ールのカップスープ(クリーム系)を飲みます。熱々のスープをハフハフしながらゆっくり飲むことで、息を深く吸ったり吐いたりしながら乱れた心を落ち着かせていけます。ココアやホットミルクなどもお勧めです♪
温かい飲み物を片手に、映画のDVD鑑賞を楽しむ秋の夜長。捨てる前にもう一度半身浴しながら眺める雑誌。どちらも夜になると孤独感を強く感じてしまう私には欠かせないアイテムです。
とは言え、根強く残る動物の本能(食べ物が少ない冬を乗り切る為の旺盛な食欲)に無理して逆らわず、多少の食欲には目をつぶってあげている今日この頃です。これも私の秋には欠かせない楽しみの1つかも(笑)。
*セロトニンは多く分泌されると幸せ感、安心感で心を満たすことができますが、少ないと気分が落ち込み空虚や不安を感じてしまいます。セロトニンは、トリプトファンという必須アミノ酸から作られます。(必須アミノ酸とは、体の中で合成できないので、必ず食物から摂らなければならないアミノ酸のことです。)トリプトファンを多く含む食品には、乳製品、肉、魚、チェダーチーズ、カテージチーズ、牛乳、卵黄、落花生、アーモンド、バナナ、大豆などがあります。
2004年10月のあや相談室TOP/ひとことより