メディアの影響力
先進国の摂食障害者の増加の著しかった年は必ず
テレビや雑誌で、細くて若い子がもてはやされています。
メディアが摂食障害について報道すると「自分も摂食障害
ではないか?」と心配して受診する女性が一時的に
増えます。このことからもメディアの影響力がいかに
強いが分かります。
多感な思春期や、生まれつき感受性の高い子は
想像力が豊かで、こういう情報に簡単に流されて
しまいます。
つまり、みんなに好まれるであろう「形」に
こだわり過ぎて、摂食障害に陥ってしまう傾向が強いのです。
ロンドンでは15歳の女のこの15人に1人は拒食症と
言われています。そこで、影響力の強さを懸念し、
痩せすぎのスーパーモデルを雇うことを法律的に禁止
しました。
アルゼンチンでは流通している服が細すぎることを指摘し
現実的な服のサイズの製造をメーカーに義務付けました。
日本は未だに何の対策もとられていません。でも
対策がとられれば摂食障害者が減るという状況ではもはや
ないようにも思えます。現に欧米がそうです。
ですが欧米では政府がこういう姿勢を見せたことで
摂食障害という現代病に対する周囲の理解を深め、
摂食障害者への偏見を無くしていくことができました。
細すぎる人がテレビや雑誌でバンバン出ていれば、
ああなりたい!と女性が思ってしまうのは何処の国でも
同じです。
華奢なお子ちゃまアイドルがテレビでもてはやされてから
急激に小学生の拒食症が増えたのも、非常に分かりやすい。
ただ、摂食障害に陥る原因は1つだけではありません。
いくつかの要因が重なって(リンクして)いくうちに
悪化していくのです。
だからその中のどれかを「あれが悪い、これが悪い」と
言っていても一向に良くはなっていきません。
誰かが勇気を出してそのリンクを断ち切っていかねば
ならないのです。
そうすれば必ずリンクは崩壊していきます。
摂食障害者に、特に未成年にこれを自分でやれ!という
のは非常に酷な話です。
痩せすぎの人が普通に扱われているのですから
それが普通の体型だと間違ってとらえてしまうのも無理も
ありません。でも冷静に見れば普通ではありません。
やっぱり細過ぎだと私は思います。
人の体型は細いか太いかだけではないのに・・・。
摂食障害への偏見を高めるような報道ばかりせず、
ロンドンやアルゼンチンのように、健康的な生活を
安心して維持できる環境づくりとそのための指導を
政府、メディア、そして教育の場に強く願います。
(H3.2.22 家族の掲示板に投稿した文より)