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一人暮らし

はい上がっていくのはすごく勇気が必要で、すごく大変なこと
なのに。なんで落ちていくのはこんなに簡単なんだろう・・・。

アッと言う間に、夏休み前の生活リズムに戻ってしまった。
お風呂に入らない。顔も洗わない。歯も磨かない。
何もかもが面倒臭い。なのに食べることだけはしっかりと
できる。全ての欲が食欲と化した感じ。

私以外の家族は、みな自分らしく、活き活きとしていた。
どうしても自分らしさを見いだせない私にはそれだけで
充分辛かった。
この家には居られない。居たくない。
この家には私の味方をしてくれる人が一人もいない。
摂食障害になる前からずっとずっとそうだった。
私の味方をしてくれる人なんて誰もいなかった。

「一人暮らしをしたい」
母も父も全く反対しなかった。
翌日には母と一緒に不動産に行った。復学するかもしれない短大と
実家の、丁度真ん中にある駅近くにアパートを借りた。

かくして私の一人暮らしはいきなり始まった。嬉しかった。
母も嬉しそうに思えた。娘に家の中をぐちゃぐちゃにされるより、
見えないところにいてもらった方がはるかに楽なのだろう。

一人暮らしを許し、仕送りまでもらっているのに、
私は親に感謝1つできなかった。何をしてもらっても、何を
してもらえなくても、母への不平不満、そして不信感が
癒えることはなかった。

最初こそ一人暮らしを謳歌していたが、そのうち
だんだんまた調子が悪くなっていった。

実家でも一人暮らしでも過食するときはするんだね(^-^;)。
一人暮らしの方が気は楽。何をしようがしまいが私の勝手だから。
でも寂しいときはとことん寂しい。
誰とも会わないと、話さないと、本当に私はひとりぼっちなんだと
思った。私の存在を世界中の人から拒否されているような気持ちに
なった。

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