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ラーラはただのデブ

ミスコンで優勝した主人公が理由も分からぬままどんどん
太り続けた。華やかな人間関係は一変。
陰口をたたかれバカにされ始める。彼女は断食やストイックな
運動をしながら必至に体重の増加を防ごうとするがそれでも体重は
増加し続けた。
太った人たちと見る度に、彼女はこう思う。
「私は病気で太ってしまったの!あなたたちとは違うのよ!」
でもある時知人に「それって注射針からエイズに感染した
人が、セックスで感染した人より自分の方が偉いと
思っているのと同じじゃない?」と言われる。
むかつきながらも後に彼女は自分がどれだけ無意識に無神経に
他人を傷つけてきたかに気づく。
太ったことでいろんな差別と偏見を受け、身も心もボロボロに
なるが、彼女を外見で評価しない人たちの存在にやっと気付き、
太っていてもできること、したいことに彼女自身も目を
向け始める。
そして94キロになった時の彼女の言葉でこの話は終わる。
「今のわたしはすべて良好とは言えない・・・もう
痩せることはどうでもよくなったとも言えない。
実際どうでもよくない。全然よくない。でも痩せることは私に
とってもう『すべて』じゃない・・・私は完璧じゃない。
でもまぁまぁの線はいっていると思う」

この本を読んだことのある人は結構多いと思います。
私はもともとかわいくも美人でも友達にちやほやされる
タイプでもありませんでした。
でも(自分ではそうは思っていないつもりだったけど
←ここが無神経というか、無意識の怖さですよね)
今までどれだけ太った人に偏見を抱いてきたかを
この本を読んで気づきました。

心のどこかで「私は病気で太ったのよ!」
「何の努力もせずに太っている人たちとは違うのよ!」
「これは本当の私じゃないの!」
っていつも思っていました。

でも私も、ラーラと同じような心の葛藤や出会いを経て
最後の彼女と同じ気持ちになっていきました。
そしたら、過食の量や回数が減ってゆき
体重も少しずつ減っていきました。

私が摂食障害を克服したのは、過食はしているけれど
まだまだ太っているけれど「今の自分でもまー、いっか」と
思えるようになったからであり、
過食(体重)が減り始めたのはそう思った「前」ではなく
「後」なのです。

【ラーラはただのデブ(集英社)】

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