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勉強

得意なのは英語と音楽。
それ以外はまーまー。科学と国語(特に漢文・古文)は
吐きたくなるほど嫌いだった。

ある時「1に勉強、2に勉強。3.4も勉強、5も勉強~♪」と
ふざけて歌ったら父が「通信簿に5が増えたら、その都度
好きなものを買ってやる」と言った。
別に買ってほしいものなんて何も無かった。
でも私はそのころから勉強にはまっていった。

学校では少しずつ誰とも話さなくなっていった。
部活をさぼり、学校の行き帰り道も一人。
お昼のお弁当も一人。
なんだこの方が楽じゃん。
寂しくなんてなかった。だって私には「勉強」が
あったから。

勉強はやればやるほど、頑張れば頑張るほど「数値」で
それが評価された。
すごく分かりやすい!

私は寝る間も惜しんで、食事中も
お風呂に入っている間も勉強するようになった。
寝ても覚めても勉強していた。

高校2年の通信簿は科学と国語以外は全部「5」。
学力テストは学年で上位5位に入った。 
誰もが驚いた。

「やればできる」「頑張っただけ報われるんだ」
そう思うようになった。
そしてそうしない人たちをバカにするようになっていった。
(いつも「自分」が基準だったってことですね^-^;)

「あやはすごいね。私なんて30点だもん」と言われても
嬉しくも何ともなかった。
「あんたは頑張らなかったからでしょ?
友達と遊んでばかりだったからでしょ?
頑張ればね、誰でも成績は良くなるんだよ。
私がどれほど頑張ってこの点を取っていると思っているのよ?」
と思った。

 帰宅するといつも必ず弟の部屋から楽しそうな声が聞えて
きた。弟はジャニーズ系の顔をしているのですごくモテる。
おまけに誰に対しても優しいから友達が沢山いた。
そんな弟が私はいつも羨ましかった。

でもそんな弟に唯一勝てたのも「勉強」だった。
私はいつしか弟を「バ~カ!」と蔑むようになった。

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