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ほくろ

 小学4年頃になると私は腕のほくろを針で穿って
消そうとするようになりました。
最初はとても痛いかったのですがいつしか
痛さをあまり感じなくなり、癖になりました。
でも消えてもまた出てくるほくろが憎かった。
顔のほくろは怖くていじれませんでした。

 私の口の上にはちいさな傷跡があります。
「小さい時に転んで切ってしまったの」と言ってきたけど
本当はほくろを取ってその周りを縫い合わせた時の痕。
中学生のころ、親に泣いて頼んで大学病院で取ったほくろ。
ほくろは消えたけど、新たな傷に泣きました。

 18歳になったとき私は美容整形外科に一人で行きました。
ものすごく不安でものすごく怖かった。
でももう誰にもついてきてほしくなかった。
誰にも知られたくなかった。
若い男の先生が丁寧に手術の説明をしてくれました。
大学病院の医師とは全然違う優しい口調に驚きました。
長年悩み続けてきた顎のほくろはアッと言う間に
無くなりました。
部屋を出ようとした時、先生が「よく頑張ったね」と
私の頭を軽く叩きました。
その瞬間、いつからか分からない程ずっとずっと
張り続けてきた緊張の糸がぷつんと切れました。
その音が聞えました(笑)。涙が止まりませんでした。

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