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このくらいの年齢のお子さんは、食べ物を拒む症状が出ても
思春期以降の子たちのような痩せ願望はあまりありません。つまり
体重体型に評価を見いだした結果起こる依存症ではないことが多いのです。
大人のように欲のバリエーションが多くない子供たちにとって
「食べる」時間はとても大切なひとときです。
その楽しいひとときを拒むということは、日々の生活の中に
なんらかの強いストレスが生じているのはまちがいないと思います。
子供の場合は、体重の減少が体に与える影響が大きいので常に小児科の
受診と身体チェックが必要です。でもこれは「食べられない」ことへの
対処法であり、「食べられない」ことへの解決にはあまりなりません。
拒食は本人にとってもご家族にとってもとても辛いことであり
心配なことだと思います。それ故拒食のデメリットだけを見てしまいがちです。
でも食を拒むことで、息子さんが得られたメリットも是非考えてみて
ほしいと思います。
例えば、食べないことで親に心配してもらえる、かまってもらえる等
それ以外にもいろいろあると思います。
このように「食べない」でいることで彼が得ようとしているものが
「食べても」得られるようになれれば、彼の心は安心して
また以前のように食事を楽しめるようになるのではないかと思います。
ただこれは拒食という行為が心の病(摂食障害)であればの話です。
それ以外だと情緒障害というものによる拒食もあります。
小児科の医師からそれについては何も言われていませんか?
いずれにしても、心を開ける人や、安心していられる空間が
増えてくれば「こんな自分でもいいんだ」と思えるようになり、
それに比例して食欲も回復していけると思います。
喉に引っかかる不安はこうした過程の中で自然に消えていく可能性が
高いように思います。
以前、唾が飲み込めなくなってしまった女の子(9歳)のメンタルケアーを
させて頂いたことがあります。彼女の話を聞いていくと、24時間唾が
飲み込めないわけではないことが分かってきました。彼女がそれに
気が付いたのは、彼女を心配した伯母さんが家に遊びに来てくれた時でした。
彼女は伯母さんが大好きで、伯母さんといるときは全然平気だと言うのです。
このように問題行為だけを見ずに、問題の起こっていない、または
問題をあまり気にしないでいられる時間を探していくことで、
息子さんがどういうひとときを欲しがっているのかが分かってくるかも
しれません。
息子さんの状態、置かれている環境がよく分からなかったので
曖昧なレスになりましたが、参考になればと思います。
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