自助グループ(1)
お母さん、
過食を止めて!
私を部屋に閉じこめて!
両手を縛って!
家の中に食べ物を置かないで!
私とずっとずっと一緒に居て!
全部やってもらった。でも隠してもらったくせに、そのお菓子を
必至に探し出しは食べ「なんでこんな分かりやすいところに隠して
おくのよ!」と母を怒鳴った。
部屋に閉じこめてって頼んだくせに、いざ閉じこめられると
居ても経ってもいられなくなり「早くここから出せよっ!」って
怒鳴った。
ことごとく母を責めた。そして言いたい放題言ってやった。
母が立ち直れなくなるほど傷つく言葉を平気で言える自分を
私は悪魔だと思った。
私ほど最低な人間は世界中何処を探してもいないだろうと思った。
そのくせ、母のことが大好きで24時間母と一緒に居たいと思った。
父と離婚させて、母と二人で暮らしたいと願う程、その独占力は
強く、異常だった。
何をされても、何をされなくてもむかついた。
昨日して嬉しかったことが、昨日されて嬉しかったことが
今日は何故かとてもむかつく。
いつどこでどう自分の感情が変化するのか全然分からない。
本当に疲れた。
食べたくないのに、太りたくないのに、そう思えば思うほど
食べ物のことばかり考えてしまう。
24時間寝ても覚めても食べることしか考えられない。
毎朝大騒ぎしながらも必至に大学に通った。でも
行き帰りの電車の中でも食べてしまうし、授業をさぼってまで
して食べてしまう。
どうしても過食を止めることができない。
なにか1つ口の中に入れてしまうと、もう止まらない。
こんなに辛いなら死にたい。
太るくらいなら死んだ方がまし!!心からそう思った。
どんどんどんどん太っていくのに、周りは前の私よりも
いいと言う。
食べることと太ることが私にとってどれほど辛いことかは
誰にも誰にも分かってはもらえない。
摂食障害に悩んでいる人なんて本当は私以外にはいないん
じゃないか。
私のように苦しんでいる人が本当にいるんだろうか。
母の薦めで、摂食障害者の為の自助グループに行くことにした。
それまで、私は自助グループの意味はおろか、そんな場所が
あるなんて聞いたこともなかった。