2月のひとこと
●本当の自分とは
そもそも人には本当の自分なんてありません。人は他人とのコミュニケーションを通して新しい自分を発見・開拓していきます。
人は「自分のことを知りたい」という欲を持っているので、他人から「知らない自分」を発見されることによって生じる自分の可能性にドキンとします。
今から25年も前の話なのですが、当時の私は過食が止まらずすごく太っていました。誰にも会いたくない!と思っていたのに、ある日男友達と道でバッタリ会ってしまいました(>_<)太った私を見て一瞬驚いた彼はすぐに笑顔になって「せっかくだからお茶しよう!」と言いました。もうパニックです!醜い自分と一緒にいる彼に申し訳なくて恥ずかしく情けなくて(涙)。
そんな私を見ながらいきなり彼がこう言ったのです。「あやには華がある」と。聞き間違えかな?と思い「え?」と聞き返すと、彼は私の顔をしっかりと見てもう一度はっきりと「あやには華があるね」と言ったのです。な、何をいきなり言い出すの!?と思いました。でも彼はお世辞をいうような人ではありません。自分のことを最低最悪だと思っていたときに、思いも寄らぬ言葉を言われたので本当にびっくりしました。
あれから25年経った今でもこうして彼の言葉をはっきりと思い出すのは、あの頃の私が彼の言葉の影響を大きく受けた証拠でしょう。他にも、自分では当たり前だと思ってしていることを感謝されたり、短所だと思ったいたことを褒められたり・・・。私は、いろんな人から言ってもらえた意外な言葉のお陰で、新たな自分を知り、新たな視点を持って過ごせるようになっていったんだな~って思います。
言ってほしい言葉を言われるよりも、自分の知らない自分の良いところを言われる方が脳は喜びます。そして自分への可能性が広がります。
「本当の自分」とは、偶然も必然も全部ひっくるめて、いろんな人といろんな関わりの中で、少しずつ自分が納得できる自画像(自分らしさ)を見つけていくことだと思います。カウンセリングもコミュニケーションの場の1つです。対話しながら、クライアントの方が納得できる自画像を見つけていくお手伝いをするのがカウンセラーの仕事です。私といろいろ話をしながら、皆さまがまだ気づかれていないご自分の良いところにドキン!としてもらえたらいいなと思っています♪
*注)「意外な言葉」とはポジティブな言葉のことです。
2016年2月1日
摂食障害カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや