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12月のひとこと

●先月からの続き^^;

私事ですが、10月上旬に耳管開放症という病を患ってしまい、そこからの1ヶ月は症状が一向に良くならず、一体いつになったら治るの?もしかしたら一生治らないのでは?と思うと怖くて不安で泣いてしまうこともありました。ですが、こういう不安や焦りも耳への負担になると思い、なるべく心を穏やかにして過ごすように努めたところ、少しずつ少しずつ症状が和らいでゆきました。そして発症から2ヶ月が経とうとしている今、ようやく元の状態に戻りつつあります。
 どんな病であれ、「この病になって良かった~!」とは絶対に思えません。ただ、今回耳管開放症を患ったことは、今までなんとなく自分の本心を騙し騙しやっていたことを本気でやめよう!と思う大きなきっかけになりました。こんなことでもなければ、自分の正直な気持ちと向き合う勇気は持てなかったと思います。
 まず、「止めたいけど、止めたらどうなるかが怖くて止められなかったこと」を1つずつ減らしていきました。無理して付き合っていた知人ともちょっと距離を置くことにしました。生理前のイライラの対処法として飲み続けていた低量ピルも飲むのを止めました。どちらも心や体の負担を薄々感じつつもメリットも感じていたので、なかなか手放す勇気が出せなかったのです。でも、「精神的なストレスは耳に出やすい」という情報を得てからは、意を決してどちらもえいっ!と手放しました。他にもいろんな引き算をしました。
 すると、なんのことはありませんでした♪・・・・というのは嘘で、最初は引き算をしてすっきりしてしまった環境に慣れず、心が不安定になり居ても立ってもいられませんでした。まぁ、こんな風になるだろうなぁとは予想していたので、とりあえず、「不安になるのは当然。慣れるまでの辛抱。慣れたらアタフタしなくなる!大丈夫!」と落ち着かない自分をなだめ続けました。
 次に、耳管開放症の症状に詳しい耳鼻科を見つけ、そこで精密な検査をしてもらいました。「いつ治るとは言えないのですが必ず治るので大丈夫ですよ!」という素晴らしく曖昧で前向きな専門医の言葉と笑顔を信じ、処方された薬やビタミン剤を飲み始めました。鍼灸治療院にも行きました。耳の横から7cmほどの鍼が入れられた時はめちゃくちゃ怖かったけど、すごく効く気がしたし、そういう良い思い込みがたくさん欲しかったのでしばらく通いました。お灸で体も心も温まりうとうとしてしまう心地良いひとときも、たまにはいいな、必要だなと思いました。鍼灸師の先生から教えて頂いたPMSに効く漢方薬も早速買って飲み始めました。それから、いつもより30分早めに寝るようにし、天気の良い日はなるべく日の光を浴びるようにしました。
 あとは・・・・いつもと何ら変わらない生活をしました。耳の不快感は「気にしないようにしよう!」と思うとかえって気になって凹んでしまうので、「気にして当然!」と思いました。大いに気にしても良いから、そんな自分でもできること・楽しめることはしようね!って(笑)
 耳の病についての情報を本やネットであれこれ探してみましたが、「耳管開放症が治った!」「こうしたら治った!」という明るい情報は見つからず、むしろ不安になったり気分が滅入る情報ばかりだったのでこれらは一切見ないことにしました。ただでさえ、「本当に治るんだろうか?」と不安で仕方ないのに、そんな自分を更に不安にならせてどうする!って思ったからです。それからはまた以前のように、ホッとしたり笑えるお気に入りのブログやサイトだけを見るようにしました♪大音響が耳には良くないのではないか?と思ったライブにも行っちゃいました(笑)。楽しみを減らしたくなかったからです。結果、気分転換になって良かったです^^
 この病の回復に対する前向きな情報をくださったり、「大丈夫!」「治りますよ!」と言ってくださった皆さまの心優しいお言葉は本当に心強く、御守りにしました。本当にありがとうございました。心から心から感謝しております。お陰様で、日に日に症状が緩和されていくような気がして=これ以上悪くなる気はしなくて。と言うことは、「良くなっているんだな!」と信じて過ごしていくうちに、多少の不快感を残すだけとなりました♪
 耳管開放症のはっきりとした治療法はまだなくて誤診も多い中、今の私にできる範囲で「良くなる!」と言われたことはやってみたし、「悪くなる!」と言われたことは止めました。振り返って考えてもこれらの何が良かったのかは分かりません。でも長年悩み苦しんだ摂食障害の克服への経験とそこから得た気づきがとても役に立ったのは確かです。

 もしまた心や体のどこかが病んだときは、摂食障害や耳管開放症の克服過程同様、早期の回復のために一番大切な「MUSTを減らす勇気」を出し、不安や焦りが増える情報を避け、安心できる情報を信じながら、それ以外はいつも通りの生活を過ごそうと思っています。

 最後に。この病に詳しい専門家とお会いし、「必ず治る」と言って頂いたときは本当にホッとしました。「必ず治る」とはっきり言える程の知識と経験と自信のあるサポーターの存在は、自分が思っていた以上に大きな心の支えになることを強く感じました。それと同時に、私も摂食障害専門カウンセラーとして摂食障害に悩んでいる方々が安心できるサポーターでいたいと強く思いました。

2013年12月2日
摂食障害専門カウンセリング あや相談室主宰
摂食障害カウンセラー 長谷川あや

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